12-3. 神奈川県内に不動産がある場合の相続手続き
相続財産の中に神奈川県内の不動産がある場合、預貯金や自動車とは別に、不動産特有の確認と手続きが必要になります。
不動産は、所在地、地番、家屋番号、所有者、共有持分、固定資産税評価額、抵当権の有無などを確認しなければなりません。
また、不動産を相続した場合には、相続登記の申請が必要になります。
この記事では、神奈川県内に不動産がある場合の相続手続きについて解説します。
1. まず不動産の所在地を確認する
不動産がある場合には、まず所在地を確認します。
確認資料としては、次のようなものがあります。
- 固定資産税納税通知書
- 固定資産評価証明書
- 名寄帳
- 登記事項証明書
- 権利証
- 登記識別情報通知
- 売買契約書
- 住宅ローン関係書類
住所と登記上の地番は異なることがあります。
自宅の住所だけで判断せず、固定資産税通知書や登記事項証明書で正確に確認することが大切です。
横浜市内に不動産がある場合、横浜市は固定資産評価証明書、公課証明書、名寄帳兼課税台帳、資産証明書などの固定資産関係証明書を案内しています。名寄帳兼課税台帳は相続時の参考資料として利用されるものとされています。
2. 登記事項証明書で名義を確認する
不動産の名義を確認するには、登記事項証明書を取得します。
登記事項証明書では、次の点を確認します。
- 所有者が亡くなられた方になっているか
- 共有者がいるか
- 持分割合はいくらか
- 抵当権が設定されているか
- 土地と建物の両方があるか
- 登記簿上の住所が最後の住所とつながるか
- 前の相続登記が未了になっていないか
古い不動産では、親や祖父母の名義のままになっていることもあります。
この場合、今回の相続だけでなく、過去の相続関係も整理する必要があり、手続きが複雑になることがあります。
3. 管轄の法務局を確認する
不動産の相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局で行います。
神奈川県内の不動産については、横浜地方法務局の本局、支局、出張所が管轄します。
横浜地方法務局は、不動産登記・商業法人登記の管轄区域一覧を公表しており、横浜市内でも区によって管轄が分かれる場合があります。
たとえば、横浜市青葉区、都筑区、緑区、港北区など、同じ横浜市内でも管轄確認が必要です。
不動産が複数の市区町村にある場合には、それぞれの所在地に応じて確認します。
4. 相続登記の義務化に注意する
不動産を相続した場合には、相続登記を行う必要があります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
法務省は、相続により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があると案内しています。
また、義務化前に発生した相続についても対象になります。
相続登記をしないまま放置すると、次の相続で相続人が増え、手続きがさらに難しくなることがあります。
5. 誰が不動産を取得するかを決める
遺言書がある場合には、原則として遺言書の内容に従って不動産を引き継ぎます。
遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が不動産を取得するかを決めます。
主な選択肢は次のとおりです。
- 相続人の一人が取得する
- 配偶者が自宅を取得する
- 共有名義にする
- 売却して代金を分ける
- 一人が取得し、他の相続人へ代償金を支払う
不動産を共有にすると、将来の売却、賃貸、修繕、建替え、次の相続で問題が生じることがあります。
共有にするかどうかは慎重に判断する必要があります。
6. 相続登記は司法書士と連携する
相続登記の申請代理や登記申請書作成は司法書士の業務です。
行政書士は、相続登記そのものを代理することはできません。
一方で、行政書士は相続登記の前提となる次のような書類整理をサポートできます。
- 戸籍収集
- 相続人調査
- 相続関係説明図の作成
- 法定相続情報一覧図の作成支援
- 財産目録の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 司法書士へ引き継ぐ資料の整理
神奈川県司法書士会では、相続登記に関する相談窓口や地域別ホットラインを案内しています。
不動産がある相続では、行政書士と司法書士が連携して進めることで、手続きを整理しやすくなります。
7. 相続税にも注意する
神奈川県内、特に横浜市、川崎市、鎌倉市、藤沢市、逗子市、葉山町などでは、不動産評価が相続税に影響することがあります。
相続税がかかるかどうかは、預貯金、不動産、株式、生命保険金、借金、葬儀費用、法定相続人の数などを総合して判断します。
不動産の相続税評価は税理士の専門分野です。
相続税がかかる可能性がある場合には、遺産分割協議書を作成する前に税理士へ相談した方がよいことがあります。
まとめ|神奈川県内の不動産相続は、所在地・名義・登記を早めに確認しましょう
神奈川県内に不動産がある場合には、不動産特有の確認と手続きが必要です。
重要なポイントは次のとおりです。
- 固定資産税通知書や登記事項証明書で不動産を確認する
- 名義、共有持分、抵当権の有無を確認する
- 管轄の法務局を確認する
- 相続登記は原則3年以内に申請する
- 誰が不動産を取得するかを遺産分割協議で決める
- 登記は司法書士、前提書類の整理は行政書士が支援できる
- 相続税がかかる可能性がある場合は税理士に相談する
不動産がある相続では、放置せず、早めに資料を集めて専門家に相談することが大切です。
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