8-6. 相続した車を売却・廃車する場合の注意点
亡くなられた方が所有していた車を、相続人が使用しない場合には、売却や廃車を検討することがあります。
車は、相続財産の一つです。
そのため、相続人の一人が勝手に売却したり、廃車にしたりすると、後から相続人間で問題になることがあります。
この記事では、相続した車を売却・廃車する場合の注意点、普通自動車と軽自動車の手続きの違い、行政書士に相談できる内容について解説します。
1. まず車検証の所有者を確認する
車を売却・廃車する前に、必ず車検証を確認します。
確認するポイントは次のとおりです。
- 所有者が亡くなられた方か
- 使用者と所有者が異なっていないか
- ローン会社や販売会社名義になっていないか
- 車検が残っているか
- 登録番号・車台番号は何か
- 普通自動車か軽自動車か
所有者がローン会社や販売会社の場合、相続人だけで売却や廃車を進めることができない場合があります。
まず所有者に連絡し、所有権解除や必要書類を確認する必要があります。
2. 相続人全員の合意を確認する
車が亡くなられた方の所有である場合、その車は相続財産です。
売却する場合でも、廃車する場合でも、誰が手続きを行い、売却代金や還付金をどう扱うかを相続人間で確認しておく必要があります。
確認すべき点は次のとおりです。
- 車を誰が取得するか
- 売却する場合、売却代金を誰が受け取るか
- 売却代金を相続人間でどう分けるか
- 廃車費用を誰が負担するか
- 自動車税や保険料の還付をどう扱うか
- 手続きを誰が行うか
車の価額が高くない場合でも、後から「勝手に処分した」と言われないよう、記録を残すことが大切です。
3. 売却する場合の流れ
相続した車を売却する場合には、主に次の流れになります。
- 車検証で所有者を確認する
- 相続人を確認する
- 誰が車を取得するか決める
- 必要に応じて遺産分割協議書を作成する
- 相続人へ名義変更する
- 買取業者や第三者へ売却する
手続きの方法としては、相続人へ名義変更してから売却する方法と、相続と第三者への名義変更を同時に行う方法があります。
関東運輸局は、相続と第三者への名義変更を同時に行う場合の手続きについて、申請書、手数料納付書、車検証、相続人が用意する書類、第三者が用意する書類などを案内しています。
売却先の買取業者や管轄運輸支局に、必要書類を事前に確認しましょう。
4. 廃車にする場合の流れ
車を使用しない場合や、車両の価値が低い場合には、廃車を検討します。
普通自動車の廃車には、主に次のような手続きがあります。
- 一時抹消登録
- 永久抹消登録
一時抹消登録は、車の使用を一時的に中止する手続きです。
関東運輸局は、相続と一時抹消を同時に手続きする場合について、申請書、手数料納付書、車検証、ナンバープレートなどの必要書類を案内しています。
永久抹消登録は、車を解体した場合などに行う手続きです。
車の状態や処分方法によって必要な手続きが異なるため、事前に運輸支局や行政書士に確認することをおすすめします。
5. 軽自動車を廃車にする場合
軽自動車を廃車にする場合には、軽自動車検査協会で手続きを行います。
軽自動車検査協会は、自動車検査証返納届、解体返納、解体届出などの廃車関連手続きを案内しています。
一時的に使用を中止する場合には、自動車検査証返納届出を行います。
その際には、車検証、ナンバープレート、自動車検査証返納届出書などが必要になります。
解体した場合には、移動報告番号、ナンバープレート、解体届出書などが必要になることがあります。
6. 税金・保険・還付金を確認する
車を売却・廃車する場合には、税金や保険も確認します。
主な確認事項は次のとおりです。
- 自動車税種別割
- 軽自動車税種別割
- 自動車重量税
- 自賠責保険
- 任意保険
- リサイクル券
- 車検の残り期間
- 還付金の有無
普通自動車と軽自動車では、税金や還付の扱いが異なる場合があります。
また、任意保険は保険会社への連絡が必要です。
亡くなられた方が契約者になっている場合には、解約、名義変更、中断証明書の取得などを確認します。
7. 行政書士に相談できること
行政書士は、自動車の相続による名義変更、売却前の移転登録、抹消登録、軽自動車の手続き、車庫証明などをサポートできます。
日本行政書士会連合会も、行政書士が自動車の移転登録、変更登録、抹消登録などの自動車登録申請に対応していることを案内しています。
相続した車を売却・廃車する場合には、相続関係書類と自動車登録手続きの両方が関係します。
早めに車検証を確認し、必要書類を整理しておくことが大切です。
まとめ|相続した車は売却・廃車前に所有者と相続人の合意を確認しましょう
相続した車を売却・廃車する場合には、名義や相続人間の合意を確認してから進めることが重要です。
注意すべきポイントは次のとおりです。
- 車検証で所有者を確認する
- ローン会社や販売会社名義の場合は先に確認する
- 相続人全員の合意を確認する
- 売却代金や還付金の扱いを明確にする
- 普通自動車と軽自動車で手続き先が異なる
- 廃車手続きには一時抹消・永久抹消・返納・解体届出などがある
- 税金や保険の手続きも忘れずに確認する
車は日常的に使う財産ですが、相続では正式な手続きが必要です。
使用しない車であっても、放置せず、売却・廃車・名義変更の方針を早めに決めましょう。
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