2-3. 準確定申告が必要になる場合とは|亡くなった方の所得がある場合の注意点
ご家族が亡くなられた場合、相続手続きとあわせて確認したいものの一つが、所得税の準確定申告です。
準確定申告は、すべての相続で必要になるわけではありません。
しかし、亡くなられた方に事業所得、不動産所得、一定の給与所得、年金以外の所得などがあった場合には、相続人が申告手続きを行う必要があることがあります。
この記事では、準確定申告が必要になる場合、期限、確認すべき資料について解説します。
1. 準確定申告とは
準確定申告とは、亡くなられた方の所得税について、相続人が行う確定申告です。
通常の確定申告は、1年間の所得について翌年に本人が行います。
しかし、年の途中で亡くなられた場合には、本人が確定申告をすることができません。
そのため、相続人が、亡くなられた方の1月1日から死亡日までの所得と税額を計算し、必要に応じて申告します。
国税庁は、納税者が死亡した場合の準確定申告について、相続人が1月1日から死亡日までの所得金額と税額を計算して申告する手続きとして案内しています。
2. 準確定申告の期限
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
国税庁の案内でも、準確定申告の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」とされています。
相続税の申告期限は原則10か月以内ですが、準確定申告はそれより早い4か月以内です。
そのため、相続税の確認より前に、まず亡くなられた方に確定申告が必要だったかどうかを確認することが大切です。
3. 準確定申告が必要になりやすいケース
準確定申告が必要になる可能性があるのは、たとえば次のような場合です。
- 個人事業を営んでいた
- 不動産収入があった
- 給与収入が一定額を超えていた
- 複数の勤務先から給与を受けていた
- 年金以外の所得があった
- 株式や不動産の売却益があった
- 医療費控除などで還付を受けられる可能性がある
- 生前に確定申告をしていた
- 前年分の確定申告をしないまま亡くなった
会社員や年金受給者であっても、所得の内容によっては申告が必要になることがあります。
一方で、所得の種類や金額によっては、準確定申告が不要な場合もあります。
判断に迷う場合には、税務署または税理士に確認することをおすすめします。
4. 準確定申告で確認する主な資料
準確定申告が必要かどうかを確認するためには、亡くなられた方の所得や控除に関する資料を集める必要があります。
主な資料としては、次のようなものがあります。
- 源泉徴収票
- 年金の源泉徴収票
- 事業の帳簿
- 売上・経費に関する資料
- 不動産賃貸収入の資料
- 固定資産税、管理費、修繕費などの資料
- 株式や投資信託の取引報告書
- 医療費の領収書
- 社会保険料、生命保険料、地震保険料などの控除証明書
- 前年の確定申告書控え
- 税務署からの通知
亡くなられた方が毎年確定申告をしていた場合には、前年の申告書控えが重要な手がかりになります。
税理士に依頼していた場合には、早めに連絡して確認するとよいでしょう。
5. 相続人が複数いる場合の注意点
相続人が複数いる場合には、準確定申告に関して、相続人全員の情報が必要になることがあります。
国税庁は、準確定申告書には各相続人等の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付して、被相続人の死亡当時の納税地を所轄する税務署に提出すると案内しています。
相続人の一人が代表して手続きを進める場合でも、他の相続人に申告内容や還付金・納税の有無を説明できるようにしておくと安心です。
還付金が発生する場合には、その受領方法についても確認が必要です。
6. 行政書士に相談できること
準確定申告そのものは税務申告であり、税理士の専門分野です。
行政書士は、税務申告書の作成や税務代理を行うことはできません。
一方で、相続手続き全体の中で、亡くなられた方の資料整理、相続人調査、財産目録の作成、他の相続手続きとのスケジュール整理などをサポートすることがあります。
準確定申告が必要かもしれない場合には、税理士と連携しながら、相続手続き全体を進めることが重要です。
まとめ|準確定申告は4か月以内に必要性を確認しましょう
準確定申告は、亡くなられた方に確定申告が必要な所得があった場合に、相続人が行う所得税の申告手続きです。
注意したいポイントは、次のとおりです。
- 準確定申告はすべての相続で必要になるわけではない
- 期限は相続開始を知った日の翌日から4か月以内である
- 事業所得や不動産所得がある場合は特に注意する
- 前年の確定申告書控えや源泉徴収票を確認する
- 相続人が複数いる場合は情報共有が大切である
- 税務申告は税理士に確認する
相続が発生したら、預貯金や不動産だけでなく、亡くなられた方の所得の有無も早めに確認しましょう。
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