3-4. 法定相続情報一覧図とは|相続手続きで利用するメリット
相続手続きでは、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍など、多くの戸籍書類が必要になることがあります。
預貯金、不動産、証券会社、自動車など、手続き先が複数ある場合、そのたびに戸籍一式を提出するのは大きな負担になります。
この負担を軽くする制度として、法定相続情報証明制度があります。
この記事では、法定相続情報一覧図の意味、利用するメリット、手続きの流れについて解説します。
1. 法定相続情報一覧図とは
法定相続情報一覧図とは、亡くなられた方と法定相続人との関係を一覧にした図です。
戸籍一式をもとに作成し、法務局へ申出を行うことで、登記官の認証文が付いた写しの交付を受けることができます。
法務局は、法定相続情報証明制度について、相続人から相続関係を一覧に表した図と戸除籍謄本等の束を登記所に提出してもらい、一覧図の内容が民法に適合することを確認したうえで、認証文付きの写しを交付する制度と説明しています。
この認証文付きの写しを、相続手続きで戸籍一式の代わりに利用できる場合があります。
2. 法定相続情報証明制度を利用するメリット
法定相続情報一覧図を利用する大きなメリットは、相続手続きで戸籍一式の提出を何度も繰り返す負担を減らせることです。
相続手続きでは、次のように複数の手続き先があることがあります。
- 銀行
- 信用金庫
- ゆうちょ銀行
- 証券会社
- 保険会社
- 法務局
- 運輸支局
- 税理士や司法書士への資料共有
それぞれの手続き先に戸籍一式を提出するとなると、確認や返却に時間がかかることがあります。
法定相続情報一覧図の写しがあれば、手続き先によっては戸籍一式の代わりに利用でき、相続手続きを効率化しやすくなります。
3. 手続きの基本的な流れ
法定相続情報証明制度の基本的な流れは、次のとおりです。
- 必要な戸籍を収集する
- 法定相続情報一覧図を作成する
- 申出書を作成する
- 法務局へ申出を行う
- 登記官が内容を確認する
- 認証文付きの法定相続情報一覧図の写しが交付される
法務局も、具体的な手続きとして、必要書類の収集、法定相続情報一覧図の作成、申出書の記入、登記所への申出という流れを案内しています。
なお、法務局には主な様式や記載例も用意されています。
4. 法定相続情報一覧図を作る前に必要なこと
法定相続情報一覧図を作るためには、まず相続人を正確に確認する必要があります。
そのためには、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍などを集める必要があります。
相続人調査が不十分なまま一覧図を作成すると、相続人が漏れたり、続柄の記載に誤りが生じたりする可能性があります。
特に、次のような場合には注意が必要です。
- 前婚の子がいる
- 養子がいる
- 認知した子がいる
- 子が先に亡くなっている
- 兄弟姉妹が相続人になる
- 甥・姪が相続人になる
- 相続人が海外に住んでいる
法定相続情報一覧図は便利な制度ですが、前提となる戸籍収集と相続人確認が重要です。
5. 相続関係説明図との違い
法定相続情報一覧図と相続関係説明図は、どちらも相続関係を図にする点では似ています。
しかし、性質は異なります。
相続関係説明図は、相続人関係を分かりやすく整理するための資料です。
一方、法定相続情報一覧図は、法務局で確認を受け、認証文付きの写しが交付されるものです。
そのため、相続手続きで利用する証明資料としては、法定相続情報一覧図の方が実務上利用しやすい場面があります。
ただし、手続き先によって取扱いが異なる場合があるため、実際に利用できるかは各手続き先に確認する必要があります。
6. 法定相続情報一覧図が特に役立つケース
法定相続情報一覧図は、次のような場合に特に役立ちます。
- 複数の銀行口座がある
- 不動産がある
- 証券会社の手続きがある
- 相続人が複数いる
- 戸籍一式の枚数が多い
- 手続き先が複数ある
- 戸籍を何度も提出・返却してもらう手間を減らしたい
特に、預貯金、不動産、証券口座など複数の相続手続きがある場合には、法定相続情報一覧図を作成しておくことで、手続き全体を進めやすくなることがあります。
7. 行政書士に相談できること
行政書士は、法定相続情報一覧図を作成する前提となる戸籍収集、相続人調査、相続関係の整理、一覧図作成のサポートを行うことができます。
相続人関係が複雑な場合、戸籍の数が多い場合、手続き先が複数ある場合には、早い段階で相談することで、全体の流れを整理しやすくなります。
不動産の登記申請が必要な場合には、司法書士と連携して進めることもあります。
まとめ|法定相続情報一覧図は相続手続きを効率化するための資料です
法定相続情報一覧図は、相続手続きで戸籍一式の提出負担を軽くするために利用できる便利な制度です。
ポイントは次のとおりです。
- 法務局で認証文付きの写しの交付を受ける
- 戸籍一式の代わりに利用できる場合がある
- 手続き先が複数ある場合に役立つ
- 作成には正確な戸籍収集が必要である
- 相続関係説明図とは性質が異なる
相続手続きを効率よく進めるためには、法定相続情報一覧図の利用を検討するとよいでしょう。
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