3-5. 前婚の子・養子・認知した子がいる場合の相続人調査

相続人調査では、現在の家族関係だけでなく、戸籍上の親族関係を正確に確認する必要があります。

特に注意が必要なのが、前婚の子、養子、認知した子がいる場合です。

これらの方が相続人になる場合、相続手続きでは全員の関与が必要になることがあります。

この記事では、前婚の子、養子、認知した子がいる場合の相続人調査の注意点について解説します。


1. 相続人は現在の同居家族だけとは限らない

相続人というと、亡くなられた方と一緒に暮らしていた家族を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、法律上の相続人は、同居していたかどうか、交流があったかどうかだけで決まるものではありません。

民法では、被相続人の子は相続人となると定められており、配偶者は常に相続人となります。

そのため、現在の家族が知らなかった子や、長年交流がなかった子であっても、戸籍上相続人に該当する場合があります。


2. 前婚の子がいる場合

亡くなられた方に前婚の子がいる場合、その子も相続人になる可能性があります。

現在の配偶者や子どもから見ると、前婚の子とは長く交流がないこともあります。

しかし、前婚の子であっても、亡くなられた方の子であることに変わりはありません。

そのため、遺言書がない場合に遺産分割協議を行うには、前婚の子も含めた相続人全員の合意が必要になります。

前婚の子を確認するためには、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍をたどり、婚姻、離婚、子の記載を確認します。


3. 養子がいる場合

養子縁組をしている場合、養子も法律上の子として相続人になる可能性があります。

養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。

相続人調査では、戸籍に記載された養子縁組の事実を確認する必要があります。

家族の記憶では「実の子ではない」と認識されていても、戸籍上養子縁組が成立していれば、相続手続きでは相続人として扱う必要があります。

また、養子がすでに亡くなっている場合には、その子が代襲相続人になる可能性もあります。


4. 認知した子がいる場合

認知した子がいる場合、その子も相続人になる可能性があります。

認知とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子について、法律上の親子関係を認める手続きです。

父が認知した子については、父との間に法律上の親子関係が生じます。

相続人調査では、戸籍に認知の記載がないかを確認します。

現在の家族が認知した子の存在を知らなかった場合でも、戸籍上確認できれば、相続手続きに関与する必要があります。


5. 相続人から漏らすとどうなるか

前婚の子、養子、認知した子を相続人から漏らしたまま遺産分割協議を行うと、協議は適切に成立しません。

遺産分割協議は、原則として相続人全員の合意が必要です。

相続人が一人でも漏れている場合、金融機関の手続き、不動産の相続登記、自動車の名義変更などが進まないことがあります。

また、後から相続人であることが分かった場合には、遺産分割協議書を作り直す必要が生じることもあります。


6. 連絡先が分からない場合

前婚の子や認知した子が相続人に該当する場合でも、連絡先が分からないことがあります。

このような場合には、戸籍や住民票の附票などをたどって、現在の住所を確認する必要があります。

ただし、相手方に突然連絡をすることで、相続人間の感情的な問題が生じることもあります。

連絡の方法や文面については、慎重に検討することが大切です。

相続人間で争いが生じている場合や、連絡方法に不安がある場合には、弁護士など適切な専門家への相談が必要になることがあります。


7. 遺言書がある場合の確認

遺言書がある場合でも、前婚の子、養子、認知した子の確認は重要です。

遺言書の内容によっては、遺産分割協議が不要になる場合もあります。

しかし、相続人の確認、遺留分の問題、遺言執行、金融機関の手続きなどで、相続人関係を確認する必要があることがあります。

また、自宅で自筆証書遺言が見つかった場合には、家庭裁判所の検認が必要になることがあります。裁判所は、封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人等の立会いの上で開封しなければならないと案内しています。


8. 行政書士に相談できること

行政書士は、戸籍収集、相続人調査、相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。

前婚の子、養子、認知した子がいる場合には、戸籍の確認範囲が広くなり、相続関係の整理が複雑になることがあります。

相続人調査の段階で正確に整理しておくことで、その後の預貯金、不動産、自動車などの手続きを進めやすくなります。

ただし、相続人同士で争いがある場合や、交渉が必要な場合には、弁護士への相談が必要になります。


まとめ|前婚の子・養子・認知した子の確認は相続人調査の重要ポイントです

相続人調査では、現在の家族だけでなく、戸籍上の親族関係を正確に確認する必要があります。

注意すべきポイントは次のとおりです。

  1. 前婚の子も相続人になる可能性がある
  2. 養子は法律上の子として相続人になる可能性がある
  3. 認知した子も相続人になる可能性がある
  4. 相続人から漏れると遺産分割協議に影響する
  5. 連絡先が分からない場合は戸籍や附票で確認する
  6. 争いがある場合は弁護士への相談が必要になる

相続人調査では、戸籍に基づいて相続人を正確に確認することが大切です。


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