4-2. 相続財産には何が含まれるのか|プラスの財産とマイナスの財産
相続手続きでは、亡くなられた方の財産を確認する必要があります。
相続財産というと、預貯金や不動産を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、相続では、現金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も問題になります。
また、生命保険金のように、遺産分割の対象になるかどうかと、相続税の計算に含まれるかどうかを分けて考える必要があるものもあります。
この記事では、相続財産に含まれるもの、注意すべき財産、マイナスの財産の確認方法について解説します。
1. 相続財産とは
相続財産とは、亡くなられた方が残した財産や権利義務のことです。
相続では、預貯金、不動産、株式、自動車などの財産を確認し、誰が取得するかを整理します。
また、借入金や未払金などの債務も確認する必要があります。
国税庁は、亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象になると説明しています。
相続税の対象になる財産と、遺産分割の対象になる財産は、完全に同じではない場合があります。
そのため、実務では「遺産分割のための財産整理」と「相続税確認のための財産整理」を意識して進めることが大切です。
2. プラスの財産
相続で確認すべき主なプラスの財産には、次のようなものがあります。
預貯金
銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、ネット銀行などの口座です。
普通預金、定期預金、外貨預金などが含まれます。
不動産
土地、建物、マンション、共有持分、貸地、貸家などです。
自宅だけでなく、別荘、駐車場、相続人が知らない遠方の土地がある場合もあります。
有価証券
株式、投資信託、債券、ETF、REITなどです。
証券会社や信託銀行に口座がある場合には、残高報告書や取引報告書を確認します。
自動車
普通自動車、軽自動車、バイクなどです。
車検証上の所有者名義やローンの有無を確認します。
その他の財産
貴金属、骨董品、貸付金、事業用財産、著作権なども財産に含まれる場合があります。
価値の判断が難しいものについては、必要に応じて専門家に確認します。
3. マイナスの財産
相続では、借金や未払金も確認する必要があります。
主なマイナスの財産は次のとおりです。
- 借入金
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- クレジットカード利用残高
- 未払の医療費
- 未払の介護施設費用
- 未払の税金
- 未払の公共料金
- 事業上の買掛金
- 保証債務の可能性
国税庁は、相続税を計算する際、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができると説明しています。
マイナスの財産が多い場合には、相続放棄を検討する必要があります。
4. 生命保険金は注意が必要です
生命保険金は、受取人が指定されている場合、通常の遺産分割とは別に扱われることがあります。
たとえば、保険金受取人が配偶者や子に指定されている場合、その受取人が保険会社に請求して受け取る形になります。
一方で、相続税の計算では、生命保険金が「みなし相続財産」として扱われる場合があります。
つまり、生命保険金は、遺産分割の対象になるかどうかと、相続税の計算に含まれるかどうかを分けて考える必要があります。
保険金額が大きい場合や、相続税がかかる可能性がある場合には、税理士に確認することをおすすめします。
5. 葬儀費用や未払金も整理する
葬儀費用は、相続人間の精算や相続税の計算で問題になることがあります。
国税庁は、相続税を計算するとき、一定の相続人等が負担した葬式費用を遺産総額から差し引くことができると説明しています。
ただし、葬儀費用として扱えるものと扱えないものがあるため、税務上の判断は税理士に確認する必要があります。
相続人の一人が葬儀費用を立て替えた場合には、領収書、請求書、香典帳、支払明細などを保管しておくと安心です。
6. 相続財産を確認するための資料
相続財産を確認するには、次のような資料を集めます。
- 通帳
- キャッシュカード
- 金融機関からの郵便物
- 固定資産税納税通知書
- 登記事項証明書
- 権利証・登記識別情報通知
- 証券会社の残高報告書
- 保険証券
- 車検証
- 借入金の契約書
- クレジットカード明細
- 税金や公共料金の通知
- 医療費・施設費の請求書
これらをもとに財産目録を作成し、相続財産の全体像を整理します。
まとめ|相続財産はプラスとマイナスの両方を確認しましょう
相続財産には、預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も含まれます。
注意すべきポイントは次のとおりです。
- 預貯金、不動産、株式、自動車などを確認する
- 借金、ローン、未払金も確認する
- 生命保険金は扱いに注意する
- 葬儀費用や未払費用の記録を残す
- 財産目録を作成して全体像を整理する
相続手続きでは、財産の一部だけを見るのではなく、プラスとマイナスの両方を確認することが大切です。
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