4-3. 預貯金を調べる方法|通帳・残高証明書・金融機関への照会

相続財産の中でも、預貯金は多くの相続で確認が必要になる財産です。

亡くなられた方が利用していた銀行口座を調べ、残高を確認し、必要に応じて解約や払戻しの手続きを進めます。

ただし、相続人がすべての口座を把握しているとは限りません。

通帳がない口座、ネット銀行、定期預金、長年使っていない口座などが後から見つかることもあります。

この記事では、相続で預貯金を調べる方法、残高証明書の取得、金融機関への照会の注意点について解説します。


1. まず通帳・キャッシュカードを確認する

預貯金を調べるときは、まず亡くなられた方の通帳やキャッシュカードを確認します。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 金融機関名
  • 支店名
  • 口座番号
  • 普通預金か定期預金か
  • 最終取引日
  • 引落しや入金の履歴
  • 公共料金や保険料の引落し
  • 年金や給与の入金
  • 他の口座への振替

通帳の入出金履歴を見ることで、他の金融機関や証券会社、保険会社との取引が分かることもあります。

たとえば、証券会社からの配当金や分配金、保険料の引落し、ローン返済の記録などが手がかりになります。


2. 郵便物や書類を確認する

通帳が見つからない場合でも、郵便物から金融機関を確認できることがあります。

探すべき資料には、次のようなものがあります。

  • 銀行からの取引明細
  • 定期預金の満期案内
  • 残高のお知らせ
  • 投資信託や外貨預金の報告書
  • 住宅ローンの返済予定表
  • キャッシュカード送付書類
  • インターネットバンキングの案内
  • 貸金庫の契約書
  • 金融機関のカレンダーや封筒

最近は紙の通帳を発行しない口座もあります。

パソコン、スマートフォン、メール、アプリ、パスワード管理資料などから、ネット銀行やインターネットバンキングの利用が分かることもあります。


3. 残高証明書を取得する

相続財産を正確に確認するためには、金融機関から残高証明書を取得することがあります。

残高証明書とは、一定の日付時点の口座残高を証明する書類です。

相続では、通常、亡くなられた日の残高を確認するために利用されます。

残高証明書は、次のような場面で役立ちます。

  • 財産目録を作成するとき
  • 遺産分割協議を行うとき
  • 相続税申告の要否を確認するとき
  • 税理士に資料を渡すとき
  • 相続人間で残高を共有するとき

金融機関によって、請求できる人、必要書類、手数料、発行までの期間が異なります。

事前に金融機関へ確認してから手続きを進めるとよいでしょう。


4. 金融機関へ相続照会を行う

亡くなられた方がその金融機関に口座を持っていたかどうかを確認するため、相続人が金融機関へ照会することがあります。

一般的に、金融機関への照会では、次のような書類を求められることがあります。

  • 亡くなられた方の死亡が分かる戸籍
  • 請求者が相続人であることが分かる戸籍
  • 請求者の本人確認書類
  • 請求者の印鑑証明書
  • 金融機関所定の申請書
  • 法定相続情報一覧図

必要書類は金融機関ごとに異なります。

また、支店単位で確認するのか、金融機関全体で確認できるのかも、金融機関によって取扱いが異なる場合があります。


5. 口座凍結後の注意点

金融機関が口座名義人の死亡を知ると、通常、その口座は凍結されます。

口座が凍結されると、預金の引出し、振替、口座振替などができなくなります。

その後、預貯金の解約や払戻しを行うには、金融機関所定の相続手続きが必要になります。

相続手続きでは、一般的に次のような書類が必要になります。

  • 戸籍一式
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 遺言書
  • 金融機関所定の相続届
  • 通帳・キャッシュカード

遺言書がある場合、相続人が1人の場合、複数の相続人で遺産分割協議をする場合などによって、必要書類は変わります。


6. 預貯金調査で注意すべきこと

預貯金を調べる際は、次の点に注意しましょう。

  • 一つの銀行だけでなく複数の金融機関を確認する
  • 通帳のない口座に注意する
  • ネット銀行やアプリの利用を確認する
  • 定期預金や外貨預金を見落とさない
  • 貸金庫の契約がないか確認する
  • 引落し履歴から借金や保険契約を確認する
  • 亡くなられた後の引出しは記録を残す

特に、亡くなられた後に預金を引き出した場合には、後から相続人間で問題になることがあります。

葬儀費用や医療費の支払いに使った場合でも、領収書や明細を残しておくことが大切です。


7. 行政書士に相談できること

行政書士は、預貯金の相続手続きに必要な戸籍収集、相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。

金融機関ごとに必要書類が異なるため、複数の銀行口座がある場合には、書類整理に時間がかかることがあります。

財産目録を作成し、必要書類をそろえておくことで、金融機関の相続手続きを進めやすくなります。


まとめ|預貯金は通帳・郵便物・残高証明書で確認します

預貯金は、相続財産の中でも基本となる財産です。

確認のポイントは次のとおりです。

  1. 通帳・キャッシュカードを確認する
  2. 郵便物や明細から金融機関を探す
  3. ネット銀行や通帳レス口座にも注意する
  4. 残高証明書を取得して残高を確認する
  5. 金融機関ごとの相続手続きを確認する
  6. 亡くなられた後の引出しは記録を残す

預貯金を正確に確認することは、財産目録や遺産分割協議の基礎になります。


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