7-2. 銀行口座が凍結された場合の手続きと注意点
ご家族が亡くなられた後、金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、通常、その口座での入出金などの取引は制限されます。
これを一般に「口座凍結」と呼ぶことがあります。
口座が凍結されると、キャッシュカードや通帳による引出し、振込、口座振替などができなくなることがあります。
この記事では、銀行口座が凍結された場合の手続き、注意点、葬儀費用などの支払いで困った場合の考え方について解説します。
1. 口座凍結とは
口座凍結とは、金融機関が口座名義人の死亡を確認した後、その口座からの入出金などを制限する取扱いをいいます。
全国銀行協会は、相続の連絡と同時に、被相続人の口座での預金の入出金などは原則として制限されると案内しています。
これは、相続人の一部が勝手に預金を引き出すことを防ぎ、正しい相続手続きに基づいて払戻しを行うためです。
2. 口座凍結後にできなくなること
口座が凍結されると、通常、次のような取引が制限されます。
- ATMでの引出し
- 窓口での引出し
- 振込
- 口座振替
- 公共料金の引落し
- クレジットカード利用代金の引落し
- 年金や家賃などの入金口座としての利用
- 定期預金の解約
ただし、具体的な取扱いは金融機関や取引内容によって異なります。
公共料金や施設費用などの支払いが継続している場合には、早めに支払方法を変更する必要があります。
3. 口座凍結後の基本的な手続き
口座凍結後は、金融機関所定の相続手続きを行います。
一般的な流れは次のとおりです。
- 金融機関へ相続発生を申し出る
- 相続手続きの案内を受ける
- 必要書類を準備する
- 金融機関所定の相続書類を作成する
- 書類を提出する
- 払戻しや解約が行われる
全国銀行協会は、預金相続の基本的な手順を、手続のお申出、必要書類の準備、書類の提出、払戻し等の手続の4段階で案内しています。
4. 凍結前に引き出してよいのか
亡くなられた方の口座が凍結される前に、キャッシュカードで預金を引き出せてしまう場合があります。
しかし、亡くなられた方の預金は相続財産です。
相続人の一人が他の相続人に無断で引き出して使うと、後から次のような問題になることがあります。
- 何のために引き出したのか
- いくら使ったのか
- 残金はどこにあるのか
- 葬儀費用に使ったのか
- 個人的な支出に使ったのではないか
- 相続放棄に影響しないか
葬儀費用や医療費など必要な支払いに使った場合でも、領収書や明細を保管し、相続人に説明できるようにしておくことが大切です。
5. 葬儀費用などでお金が必要な場合
口座凍結後に葬儀費用や生活費などの支払いで困る場合があります。
このような場合、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用できることがあります。
全国銀行協会は、遺産分割前の相続預金の払戻し制度として、家庭裁判所の判断を経る方法と、一定額について家庭裁判所の判断を経ずに金融機関から単独で払戻しを受ける方法があると案内しています。
ただし、利用できる金額や必要書類は金融機関ごとに異なる場合があります。
葬儀費用などで預金の一部が必要な場合には、金融機関に制度の利用可否を確認しましょう。
6. 凍結口座の確認で注意すべきこと
口座凍結後は、その口座に関係する入出金も確認しておく必要があります。
特に、次の点を確認しましょう。
- 年金が入金されていないか
- 家賃収入が入金されていないか
- 公共料金が引き落とされていないか
- クレジットカードの引落しがあるか
- 住宅ローンや借入金の返済口座になっていないか
- 生命保険料や介護施設費用の引落しがあるか
口座凍結により支払いが止まると、後から未払金として整理が必要になる場合があります。
通帳や取引明細を確認し、必要に応じて支払方法を変更しましょう。
7. 行政書士に相談できること
行政書士は、銀行口座の相続手続きに必要な戸籍収集、相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。
凍結口座が複数ある場合、相続人が複数いる場合、遠方の相続人から実印や印鑑証明書を集める必要がある場合には、手続きが複雑になりやすいです。
行政書士に相談することで、必要書類を整理し、各金融機関への手続きを進めやすくなります。
まとめ|口座凍結後は正式な相続手続きで払戻しを進めます
銀行口座が凍結された場合、通常の引出しや引落しは制限され、金融機関所定の相続手続きが必要になります。
注意すべきポイントは次のとおりです。
- 金融機関が死亡を把握すると口座取引は制限される
- 凍結後は金融機関所定の相続手続きが必要になる
- 凍結前の引出しも記録を残すことが重要である
- 葬儀費用などは相続預金の払戻し制度を確認する
- 公共料金やカード引落しの停止にも注意する
- 必要書類は金融機関ごとに確認する
口座凍結は、相続手続きを正しく進めるための出発点でもあります。
慌てて対応するのではなく、必要書類を確認しながら手続きを進めましょう。
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