2-4. 相続税申告が必要になる場合とは|10か月以内に確認すべきこと

相続が発生した場合、必ず相続税がかかるわけではありません。

しかし、不動産、預貯金、株式、生命保険金などの財産が一定額を超える場合には、相続税の申告と納税が必要になることがあります。

相続税の申告期限は、原則として10か月以内です。

この記事では、相続税申告が必要になる場合、確認すべき財産、行政書士と税理士の役割分担について解説します。


1. 相続税はすべての相続でかかるわけではありません

相続税は、亡くなられた方の財産を相続した場合に、必ず発生する税金ではありません。

相続税が問題になるかどうかは、正味の遺産額が基礎控除額を超えるかどうかで判断します。

国税庁は、正味の遺産額が基礎控除額を超える場合には、相続税がかかり、申告および納税が必要になると説明しています。

基礎控除額は、次の式で計算します。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。

正味の遺産額がこの金額を超える可能性がある場合には、相続税申告が必要かどうかを早めに確認する必要があります。


2. 相続税の申告期限は10か月以内

相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

国税庁は、相続税の申告について、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うと案内しています。

また、申告期限までに申告しなかった場合や、実際に取得した財産の額より少ない額で申告した場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります。

10か月というと長いように見えますが、実際には、相続人調査、財産調査、不動産評価、遺産分割協議、納税資金の確認などが必要になるため、早めに準備することが大切です。


3. 相続税申告が必要になりやすいケース

相続税申告が必要になる可能性があるのは、次のようなケースです。

  • 自宅以外にも不動産がある
  • 横浜・東京など都市部に不動産を所有している
  • 預貯金が多い
  • 株式や投資信託を保有している
  • 生命保険金がある
  • 生前贈与を受けている人がいる
  • 相続人の数が少ない
  • 亡くなられた方が会社経営者や個人事業主だった
  • 貸地、貸家、アパートなどがある
  • 海外資産がある

特に不動産は、現金のように金額が分かりやすい財産ではありません。

固定資産税評価額だけで判断できない場合もあり、相続税評価額の確認が必要になります。


4. まず確認すべき財産

相続税がかかる可能性を確認するためには、まず財産の全体像を把握する必要があります。

主に確認する財産は次のとおりです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式、投資信託、債券
  • 生命保険金
  • 退職金
  • 自動車
  • 貴金属、骨董品
  • 貸付金
  • 事業用財産
  • 借入金、未払金
  • 葬儀費用
  • 生前贈与の有無

相続税の計算では、プラスの財産だけでなく、債務や葬式費用なども関係します。

また、生命保険金や死亡退職金には非課税枠がある一方で、相続税の計算に含める必要がある場合があります。

判断が難しい場合には、税理士に確認することが重要です。


5. 遺産分割がまとまっていない場合の注意点

相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらないこともあります。

その場合でも、相続税の申告期限が当然に延びるわけではありません。

10か月以内の申告期限を意識しながら、相続人調査、財産調査、遺産分割協議を進める必要があります。

特例の適用や申告方法に影響することもあるため、遺産分割が難航しそうな場合には、早めに税理士や弁護士へ相談することをおすすめします。


6. 行政書士と税理士の役割分担

相続税申告は、税理士の専門分野です。

行政書士は、相続税申告書の作成や税務代理を行うことはできません。

一方で、相続税申告の前提となる次のような作業をサポートすることがあります。

  • 相続人調査
  • 戸籍収集
  • 相続関係説明図の作成
  • 財産目録の作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 預貯金や自動車の相続手続き
  • 税理士との連携に必要な資料整理

相続税がかかる可能性がある場合には、行政書士と税理士が連携しながら、相続手続きを進めることが大切です。


まとめ|相続税は10か月以内に申告の要否を確認しましょう

相続税は、すべての相続でかかるわけではありません。

しかし、不動産や預貯金などの財産が多い場合には、早めに申告の要否を確認する必要があります。

相続税申告で注意したいポイントは、次のとおりです。

  1. 正味の遺産額が基礎控除額を超えるか確認する
  2. 基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算する
  3. 申告期限は原則10か月以内である
  4. 不動産や株式がある場合は評価に時間がかかる
  5. 遺産分割がまとまらなくても期限に注意する
  6. 相続税申告は税理士に確認する

相続が発生したら、相続人と財産の状況を早めに整理し、相続税申告が必要かどうかを確認しましょう。


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