7-3. 残高証明書とは|相続財産を確認するための取得方法
相続手続きでは、亡くなられた方の預貯金残高を正確に確認する必要があります。
通帳の残高だけでも大まかな金額は分かりますが、相続財産を正式に確認するためには、金融機関から残高証明書を取得することがあります。
残高証明書は、財産目録の作成、遺産分割協議、相続税申告の確認、相続人間の情報共有に役立つ書類です。
この記事では、残高証明書の意味、取得方法、必要書類、注意点について解説します。
1. 残高証明書とは
残高証明書とは、金融機関が一定の日付時点の預貯金残高を証明する書類です。
相続手続きでは、通常、亡くなられた日の残高を確認するために取得します。
残高証明書には、普通預金、定期預金、外貨預金、借入金など、金融機関との取引内容が記載されることがあります。
ただし、証明対象となる取引の範囲は金融機関によって異なります。
必要に応じて、経過利息計算書や取引明細、取引推移表などをあわせて取得することもあります。
2. 残高証明書が必要になる場面
残高証明書は、次のような場面で役立ちます。
- 財産目録を作成するとき
- 相続人同士で預貯金額を確認するとき
- 遺産分割協議を行うとき
- 相続税申告が必要か確認するとき
- 税理士へ資料を渡すとき
- 亡くなった後の出金状況を確認するとき
- 定期預金や外貨預金の有無を確認するとき
相続税がかかる可能性がある場合には、亡くなられた日の残高を正確に確認することが重要です。
通帳記帳だけでは、定期預金や別口座、経過利息などを十分に把握できないことがあります。
3. 残高証明書の取得方法
残高証明書を取得するには、金融機関へ相続用の残高証明書発行を依頼します。
金融機関によって、窓口、郵送、相続専用窓口、Web受付など手続き方法が異なります。
たとえば、三菱UFJ銀行は、相続手続きにおける残高証明書等の発行依頼について、事前に相続発生の連絡が必要であり、相続発生の連絡時に残高証明書等の発行希望を入力する旨を案内しています。
みずほ銀行は、相続預金の残高証明書の発行について、戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し、亡くなられた方の通帳・証書等、来店者の実印および印鑑証明書、銀行所定の依頼書などを必要書類として案内しています。
具体的な方法は金融機関ごとに確認しましょう。
4. 必要になる主な書類
残高証明書の取得に必要な書類は金融機関によって異なりますが、一般的には次のようなものが求められます。
- 被相続人の死亡が分かる戸籍
- 請求者が相続人であることが分かる戸籍
- 法定相続情報一覧図
- 請求者の本人確認書類
- 請求者の実印
- 請求者の印鑑証明書
- 金融機関所定の残高証明書発行依頼書
- 通帳、証書、キャッシュカード
- 委任状
三井住友銀行も、相続預金の残高証明書や入出金取引証明の発行に必要な書類として、口座名義人の死亡が確認できる書類、手続きする方が相続人等であることを確認できる書類、手続きする方の実印と印鑑登録証明書、取引内容が分かる通帳・キャッシュカード等を案内しています。
5. いつの時点の残高を証明してもらうか
相続では、通常、亡くなられた日の残高を証明してもらいます。
ただし、必要に応じて、次のような日付の残高を確認することもあります。
- 死亡日現在
- 相続人が口座を確認した日
- 遺産分割協議の日
- 相続税申告に必要な基準日
- 特定の出金前後の日付
残高証明書を依頼する際には、証明基準日を明確に伝える必要があります。
相続税申告が関係する場合には、税理士に確認してから取得するとよいでしょう。
6. 残高証明書と取引履歴の違い
残高証明書は、一定の日付時点の残高を証明する書類です。
一方、取引履歴や取引推移表は、一定期間の入出金の動きを確認する資料です。
次のような場合には、残高証明書だけでなく取引履歴も確認した方がよいことがあります。
- 亡くなる前後に大きな出金がある
- 相続人の一人が預金を引き出している
- 贈与や貸付けの可能性がある
- 公共料金や施設費用の引落しを確認したい
- 他の金融機関や証券会社との取引を探したい
取引履歴を取得できる期間や手数料は金融機関によって異なります。
7. 行政書士に相談できること
行政書士は、残高証明書を取得する前提となる戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成支援、財産目録の作成、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。
残高証明書そのものは金融機関が発行する書類ですが、どの金融機関に依頼するか、どの財産を財産目録に記載するか、相続人間でどのように共有するかを整理することが重要です。
相続税が関係する場合には、税理士と連携して進める必要があります。
まとめ|残高証明書は預貯金を正確に確認するための資料です
残高証明書は、亡くなられた方の預貯金残高を正式に確認するための重要な資料です。
注意すべきポイントは次のとおりです。
- 通常は死亡日現在の残高を確認する
- 財産目録や遺産分割協議に役立つ
- 相続税申告の確認資料になる
- 金融機関ごとに取得方法や必要書類が異なる
- 必要に応じて取引履歴も確認する
- 相続税が関係する場合は税理士に確認する
預貯金の相続手続きを進める際は、残高証明書を取得し、財産の内容を正確に整理しましょう。
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