8-3. 空き家を相続した場合に確認すべきこと

親の自宅や実家を相続したものの、誰も住む予定がないというケースがあります。

このような不動産は、いわゆる空き家として管理、売却、賃貸、解体などを検討する必要があります。

空き家は、放置すると建物の劣化、近隣への影響、固定資産税、相続登記、管理責任などの問題が生じることがあります。

この記事では、空き家を相続した場合に確認すべきこと、相続手続き上の注意点、専門家との連携について解説します。


1. まず名義と相続登記を確認する

空き家を相続した場合、まず確認すべきことは不動産の名義です。

登記事項証明書を取得し、所有者が誰になっているかを確認します。

亡くなられた方の名義のままであれば、相続登記が必要になります。

相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。義務化前に発生した相続も対象です。

空き家を売却する場合でも、原則として先に相続登記を行い、相続人名義にしておく必要があります。


2. 誰が管理するかを決める

空き家は、相続人の誰が管理するかを早めに決めておくことが大切です。

管理者が決まっていないと、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 雨漏りや老朽化に気づかない
  • 庭木や雑草が伸びる
  • 害虫・害獣が発生する
  • 郵便物が放置される
  • 防犯上の問題が生じる
  • 近隣から苦情が出る
  • 固定資産税の通知が放置される

遠方に住んでいて管理が難しい場合には、親族間で役割を決めるか、管理会社や不動産会社に相談することも検討します。


3. 固定資産税と維持費を確認する

空き家を所有している間は、固定資産税や維持費が発生します。

確認すべき費用は次のとおりです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険料
  • 電気・水道などの基本料金
  • 管理費
  • 修繕費
  • 庭木の剪定費用
  • 解体費用
  • マンションの場合の管理費・修繕積立金

相続人の一人が立て替える場合には、領収書や支払記録を残しておきましょう。

後日、売却代金や相続財産から精算する可能性があります。


4. 売却・賃貸・解体・利用の方針を決める

空き家については、相続人間で今後の方針を決める必要があります。

主な選択肢は次のとおりです。

  • 相続人の誰かが住む
  • 売却する
  • 賃貸に出す
  • 解体して土地として利用する
  • 当面管理を続ける

不動産を売却する場合には、相続登記、残置物整理、境界確認、測量、建物の状態確認などが必要になることがあります。

賃貸に出す場合には、修繕費や管理方法も検討しなければなりません。

解体する場合には、解体費用、固定資産税への影響、近隣対応なども確認が必要です。


5. 共有名義にする場合の注意点

相続人が複数いる場合、空き家を共有名義にすることがあります。

ただし、共有名義にすると、将来の売却や賃貸、解体、修繕などで共有者全員の協力が必要になる場面があります。

また、共有者の一人が亡くなると、その持分についてさらに相続が発生し、関係者が増えることがあります。

空き家を共有にする場合には、将来の管理や処分まで考えて判断することが大切です。

できれば、遺産分割協議の段階で、誰が取得するのか、売却するのか、管理費用をどう負担するのかを整理しておくことをおすすめします。


6. 特定空家等・管理不全空家等に注意する

空き家を放置すると、自治体から管理上の指導や勧告を受ける可能性があります。

国土交通省は、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態、衛生上有害となるおそれのある状態、景観を著しく損なっている状態などの空き家を「特定空家等」として扱う制度を説明しています。また、改正法により、放置すれば特定空家等になるおそれのある「管理不全空家等」についても指導・勧告の対象とされています。

空き家を放置すると、近隣トラブルだけでなく、税負担や行政対応の問題にもつながる可能性があります。


7. 行政書士に相談できること

行政書士は、空き家を含む相続手続きについて、戸籍収集、相続人調査、財産目録、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。

また、売却や登記、税金が関係する場合には、司法書士、税理士、不動産会社などと連携しながら進めることが大切です。

行政書士は、相続手続き全体の整理役として、必要な専門家につなぐ役割を担うことができます。


まとめ|空き家は相続後の管理方針を早めに決めましょう

空き家を相続した場合には、名義変更だけでなく、管理や処分の方針も重要です。

確認すべきポイントは次のとおりです。

  1. 登記事項証明書で名義を確認する
  2. 相続登記の必要性を確認する
  3. 誰が管理するかを決める
  4. 固定資産税や維持費を確認する
  5. 売却・賃貸・解体・利用の方針を決める
  6. 共有名義にする場合は将来の処分に注意する
  7. 放置による管理不全や近隣トラブルに注意する

空き家は、放置するほど手続きや管理が難しくなることがあります。

相続が発生したら、早めに状況を整理し、今後の方針を決めることが大切です。


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