1-3. 遺品整理を始める前に確認すべき書類|通帳・権利証・保険証券など
ご家族が亡くなられた後、家の片付けや遺品整理を早めに進めたいと考える方は多いと思います。
特に、賃貸住宅の明渡しが必要な場合や、施設・病院の荷物を引き取る必要がある場合には、短期間で整理を進めなければならないこともあります。
しかし、相続手続きに必要な書類を処分してしまうと、後から財産調査や名義変更が難しくなることがあります。
この記事では、遺品整理を始める前に確認しておきたい重要書類について解説します。
1. 遺品整理の前に、重要書類を分けて保管する
遺品整理では、衣類、家具、日用品などを片付ける前に、まず重要書類を分けて保管することが大切です。
相続手続きでは、亡くなられた方がどのような財産を持っていたか、どの金融機関と取引していたか、どのような契約をしていたかを確認する必要があります。
その手がかりになるのが、通帳、郵便物、権利証、保険証券、請求書、契約書などです。
一見不要に見える書類でも、後から相続財産の確認に役立つことがあります。
遺品整理を始める際は、まず書類を次のように分けておくとよいでしょう。
- 金融機関関係
- 不動産関係
- 保険関係
- 年金・保険証関係
- 借入金・ローン関係
- 税金関係
- 契約関係
- 身分証・印鑑関係
すぐに要否を判断できない書類は、処分せず一時保管しておくことをおすすめします。
2. 通帳・キャッシュカード・金融機関からの郵便物
まず確認したいのが、預貯金に関する書類です。
具体的には、次のようなものです。
- 通帳
- キャッシュカード
- 定期預金証書
- 銀行からの郵便物
- 残高通知
- 取引明細
- インターネットバンキングの案内
- 貸金庫の利用契約書
通帳があれば、金融機関名、支店名、口座番号、入出金履歴を確認できます。
また、最近は紙の通帳がない口座や、インターネット銀行の口座を利用している方もいます。その場合、郵便物、メール、スマートフォン、パソコン、クレジットカード明細などが手がかりになることがあります。
預貯金は、相続財産の中心になることが多いため、金融機関に関係する資料は慎重に保管しましょう。
3. 不動産の権利証・登記識別情報・固定資産税通知書
亡くなられた方が不動産を所有していた場合は、不動産関係の書類を確認します。
主な書類は次のとおりです。
- 権利証
- 登記識別情報通知
- 固定資産税納税通知書
- 不動産売買契約書
- 住宅ローン関係書類
- 賃貸借契約書
- 管理会社からの通知
- マンション管理費・修繕積立金の資料
不動産の所在地や名義を確認するには、固定資産税納税通知書や登記事項証明書が手がかりになります。
不動産を相続した場合、相続登記の手続きが必要になります。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
登記申請そのものは司法書士の業務ですが、行政書士が戸籍収集、相続関係説明図、遺産分割協議書などの準備をサポートすることがあります。
4. 保険証券・保険会社からの通知
生命保険や医療保険に加入していた場合は、保険金請求の手続きが必要になることがあります。
確認したい書類は次のとおりです。
- 生命保険証券
- 医療保険証券
- 共済契約書
- 保険会社からの通知
- 年末調整や確定申告用の保険料控除証明書
- 保険料の引落し履歴
- 保険会社の担当者名刺
生命保険金は、受取人が指定されている場合、相続財産そのものとは扱いが異なることがあります。ただし、相続税の計算に関係する場合もあります。
保険証券が見つからない場合でも、通帳の引落し履歴や郵便物から保険会社を確認できることがあります。
5. 借入金・ローン・クレジットカード関係の書類
相続では、プラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も確認する必要があります。
確認すべき書類には、次のようなものがあります。
- 金銭消費貸借契約書
- 住宅ローン契約書
- 自動車ローン契約書
- クレジットカード
- カード利用明細
- 消費者金融からの通知
- 督促状
- 保証人関係の書類
- 税金や保険料の未納通知
借金があるかどうかは、相続放棄を検討するうえでも重要です。
相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。財産や債務の全体像が分からない場合には、早めに確認することが大切です。
6. 遺言書らしき書面が見つかった場合
遺品整理中に、遺言書らしき書面が見つかることがあります。
その場合、すぐに開封したり、内容を確認しようとしたりせず、慎重に扱う必要があります。
自筆証書遺言が自宅などで保管されていた場合、家庭裁判所での検認手続きが必要になることがあります。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもとで開封する必要があります。
なお、公正証書遺言や、法務局で保管されている自筆証書遺言については、検認が不要とされています。
遺言書らしき書類を見つけた場合は、処分せず、封筒や保管状態をそのまま維持して、専門家や家庭裁判所に確認することをおすすめします。
まとめ|遺品整理の前に、相続手続きに必要な書類を確保しましょう
遺品整理は、気持ちの整理のためにも、住居や施設の明渡しのためにも必要な作業です。
しかし、相続手続きに必要な書類を処分してしまうと、後から財産調査や名義変更に時間がかかることがあります。
遺品整理を始める前には、次の書類を確認しましょう。
- 通帳・キャッシュカード
- 金融機関からの郵便物
- 不動産の権利証・登記識別情報
- 固定資産税納税通知書
- 保険証券
- 借入金・ローン関係書類
- クレジットカード明細
- 税金・保険料の通知
- 遺言書らしき書面
すぐに必要かどうか分からない書類は、処分せず一時保管しておくことが大切です。
相続手続きでは、書類が残っているかどうかで、その後の進めやすさが大きく変わります。
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