4-1. 財産目録とは?預貯金・不動産・株式・借金の整理方法

相続手続きを進めるためには、まず亡くなられた方にどのような財産があったのかを確認する必要があります。

預貯金、不動産、株式、生命保険、自動車などのプラスの財産だけでなく、借金、ローン、未払金などのマイナスの財産も確認しなければなりません。

これらの財産を一覧に整理したものが、財産目録です。

財産目録を作成しておくと、相続人同士の話し合い、遺産分割協議書の作成、相続税の確認、専門家への相談が進めやすくなります。

この記事では、財産目録の意味、記載する内容、作成時の注意点について解説します。


1. 財産目録とは

財産目録とは、亡くなられた方の財産と債務を一覧にした資料です。

相続では、財産の全体像が分からないまま話し合いを始めると、後から別の預金口座や不動産、借金などが見つかり、協議をやり直す必要が出ることがあります。

財産目録には、主に次のような内容を整理します。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式・投資信託
  • 自動車
  • 生命保険
  • 貸金庫内の財産
  • 貴金属・骨董品など
  • 借入金
  • 住宅ローン
  • クレジットカード利用残高
  • 未払の医療費・施設費・税金など

財産目録は、相続人全員が財産の内容を確認し、分け方を考えるための基礎資料になります。


2. 財産目録を作成するメリット

財産目録を作成する主なメリットは、相続手続きの全体像を把握しやすくなることです。

特に、次のような場面で役立ちます。

  • 相続人同士で遺産分割協議を行うとき
  • 遺産分割協議書を作成するとき
  • 相続税がかかるか確認するとき
  • 税理士、司法書士、行政書士などに相談するとき
  • 預貯金や不動産の名義変更を進めるとき
  • 借金や未払金の有無を確認するとき

財産目録がないまま手続きを進めると、相続人の間で「他にも財産があるのではないか」「一部の財産だけで話し合っているのではないか」という不信感が生じることがあります。

一覧表として整理しておくことで、相続人間の認識をそろえやすくなります。


3. プラスの財産を整理する

まず確認するのは、預貯金や不動産などのプラスの財産です。

主な財産としては、次のようなものがあります。

預貯金

銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、ネット銀行などの口座を確認します。

通帳、キャッシュカード、金融機関からの郵便物、取引明細などが手がかりになります。

財産目録には、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号、残高などを記載します。

不動産

土地、建物、マンション、共有持分、貸地、貸家などを確認します。

固定資産税納税通知書、登記事項証明書、権利証、登記識別情報通知などが手がかりになります。

財産目録には、所在地、地番、家屋番号、種類、持分、評価額などを整理します。

株式・投資信託

証券会社の取引報告書、残高報告書、配当金通知、銀行口座の入金履歴などを確認します。

財産目録には、証券会社名、銘柄、数量、評価額などを記載します。

自動車

車検証を確認し、所有者名義、使用者名義、ローンやリースの有無を確認します。

財産目録には、車名、登録番号、車台番号、所有者、評価の目安などを整理します。


4. マイナスの財産も確認する

相続では、プラスの財産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの財産も重要です。

国税庁も、相続税を計算する際には、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができると説明しています。

確認すべきマイナスの財産には、次のようなものがあります。

  • 借入金
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • クレジットカード利用残高
  • 未払の医療費
  • 未払の施設費用
  • 未払の税金
  • 未払の公共料金
  • 保証債務の可能性
  • 事業上の未払金

借金が多い場合や、財産より債務の方が多い可能性がある場合には、相続放棄を検討することがあります。

相続放棄には期限があるため、債務の確認は早めに行う必要があります。


5. 財産目録を作るときの注意点

財産目録を作るときは、最初から完璧な評価額を出そうとする必要はありません。

まずは、財産の種類、所在、手続き先を整理することが重要です。

注意点は次のとおりです。

  • 通帳や郵便物を処分しない
  • 預金口座を金融機関ごとに分けて整理する
  • 不動産は所在地や地番を正確に確認する
  • 株式や投資信託は証券会社ごとに確認する
  • 借金や未払金も必ず記載する
  • 評価額が不明なものは「確認中」として残す
  • 相続人間で共有できる形にしておく

財産目録は、後から修正していく資料です。

新しい財産や債務が見つかった場合には、随時追加していきます。


6. 行政書士に相談できること

行政書士は、相続手続きに必要な財産目録の作成、戸籍収集、相続関係説明図、遺産分割協議書の作成などをサポートできます。

財産目録を整理しておくと、その後の預貯金手続き、自動車の名義変更、司法書士や税理士への相談がスムーズになります。

ただし、相続税の申告や税額計算は税理士、不動産登記は司法書士の業務です。

相続税がかかる可能性がある場合や、不動産がある場合には、必要に応じて他士業と連携しながら進めることが大切です。


まとめ|財産目録は相続手続きの土台になる資料です

財産目録は、亡くなられた方の財産と債務を一覧にした資料です。

ポイントは次のとおりです。

  1. 預貯金、不動産、株式、自動車などを整理する
  2. 借金、未払金、ローンなども確認する
  3. 相続人同士の話し合いの基礎資料になる
  4. 相続税や登記の相談にも役立つ
  5. 後から財産が見つかった場合は修正する

相続手続きを進める際は、まず財産目録を作成し、財産と債務の全体像を把握することが大切です。


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